[最新版]この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題集 2021年版の感想・評価・レビュー

こんにちは、三島某「@mishima_books」です。
今回は「この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題集」(以降、本書と記載)を読んでみました。
ITパスポートの概要や本サイトのレビュー方法について知りたい方は「ITパスポート レビューの考え方」を一読してください。
「この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題集」はどんな本?

出題しそうなところから学習するアプローチをとった意欲的な1冊です。ある程度ITパスポート相当の知識がある方が手に取ると、サクサク学習が進みます。
評価:2.7

発行元 | 株式会社KADOKAWA |
著者 | 丸山 紀代 |
初版発行 | 2021年6月11日 |
定価 | 1,738円(税込) |
ホームページ | 公式サイト |
電子書籍版 | 有 |
その他 | – |
こんな人におすすめ
- IT業界にすでにいて、十分な知識はあるので、最速で資格にチャレンジしたい。
- 以前、ITパスポートの勉強をしていたけど諸般の事情で中断してしまった。
こんな感じで使って欲しい
ITパスポート合格相当の知識がある方/過去にITパスポートの勉強したことある方
- 最近のホットなトピックから順に構成されています。
- ほとんどが見開き1ページごとに独立して勉強できるようになっています。
- 「KADOKAWA資格の合格チャンネル」は学習の開始時に視聴をお勧めします。
購入時のチェックポイント
- 初学者向けの構成にはなっていません。どんな順で勉強するかは学習者に委ねられています。
- 問題は少なめなのと、模擬試験相当のものが少し使いづらいので、問題集をどうするか検討が必要です。
「この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題集」を詳しく紹介
本書の大きさや厚さ
参考書としては標準的な大きさです、ページ数は400Pを切っているので、ほどほどの重さに止まってくれています。
文字の大きさは、標準的なもので、行間も程よく文章を追うのに苦労はしません。
下図の通り見開き1ページでトピックが完結していますので、テンポよく学習を進めることができるでしょう。

本書の構成
本書はITパスポートについての説明や出題傾向に始まり、章ごとに本文が続きます。
この目次構成が本書の最大の特徴だといえます。
他参考書では、シラバスの構成通りに目次を構成するか、もしくはテクノロジー系から始め、マネージメント、最後にストラテジ系を記載するかのいずれかです。
しかし本書では、冒頭から「新技術とデータサイエンス」などホットな分野を先頭に持ってきています。
第1章 新技術とデータサイエンス
「いちばんやさしいITパスポート 令和3年度 目次」参考に整理
第2章 ネットワークとセキュリティ
第3章 システム開発
第4章 経営
第5章 コンピュータ
上述のように章としては5つしかなく、ITパスポートの3分野への分類も曖昧です。しかし1章あたりの節数が多く、学習者は章ごとではなく、節ごとに学習していきます。
そして節ごとにページ構成(見開き左側に用語の解説、右側にイメージ)が統一されており、学習者のリズムを維持するためかなと思います。
以下は、ストラテジー系の解説が行われている第1章の新技術とデータサイエンスを引用してみました。
1. 社会におけるIT利活用の動向
2. AI(人口知能)とは
3. AIの活用目的
4. AI活用の原則と指針
5. AIの活用する上で留意事項
6. データの種類と前処理
7. 統計情報
8.ビックデータ分析
9.データサイエンス
10. 統計の基礎知識
11. 数値解析、最適化
12. 業務分析手法①
13. 業務分析手法②
学習という行為そのものをいかにスムーズにするかに重点を置くというのは意欲的な参考書だと思います。
また他参考書に見られる「ワンポイント」などの使い方わからない情報がなく、集中して学習できます。
そして本文以外の観点で説明したいことは、別ページにコラムとしてまとめられているところは素晴らしいです。
本文について
カテゴリごとに分けられた単語集
本書では、見開き1ページごとに学習していきます。左側にトピックについての解説があり、こちらが本文となります。
つまり見開き1ページにつき3つから4つのトピックを学習していきます。
他参考書では、20Pを通じ数十個のトピックを学習するので、それと比べてると難易度を低くすることができます。
またトピックごとに以下のシンプルなルールで整理されているので、非常に読みやすい構成となっています。
- 青字は出題されるトピック
- 赤字は、出題時に注意する用語(選択肢に出そうな単語)
- 黒の太字は、赤字の説明。問題文や条件文に出そうな文章
そのため本書をうまく活用すれば、とても効率的に学習することができます。
ある程度、ITパスポート相当の知識があるのであれば、必要な部分だけピックアップして学ぶことができます。
しかし参考書は、参考書自体の使いかたをあまり説明しないので。。
これは便利!これだけ覚える重要単語180
本書では、 INDEX前に単語帳のような使い方ができるページが用意されています。

主にシラバスの目次に近いし感じで分類されているので、とても使いやすいです。
SDGsは、接続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のこと。2015年に国連サミットで採択された2030年までに達成されるべき社会・経済・環境に総合的に取り組む国際目標
この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題集 355P
ある程度学習が進んだ段階で問題集と本ページをチラ見すると記憶の定着に良いかもしれません。
ただ可能であれば、今後本文内で重要単語180に該当するかどうかの印があったら、もっとよいかと思います。
図解の難しさ
本書では、見開き1ページにイメージが1つ以上記載されています。
図解でポイントを掴むことで用語の理解を深めるという狙いだと思います。
基本的にはとてもわかりやすいイメージが多く、学習者の支えになると思います。

ただ他の参考書もそうですが、読者は無意識に「大事なこと=図解された用語」へフォーカスしてしまいます。
そのため図解されなかった用語の学習優先度は低くなる恐れがあります。
この辺りは、なぜ図解に選択されたのかがわかる説明があると良いかなと思います。
気になった点としては、図解を掲載すること自体が目的になり、イメージではなく表のみが掲載されていました。
この辺りは、少し改善してほしいと思いますし、無理に図解という言葉を使う必要はないかなと思いました。
問題について
本書では、2ページごとに1問づつ例外があるのと、第6章に1回分(100問)の模擬テストが掲載されています。
参考書としては概ね平均的な問題数と言えます。
本文中の問題は、どんな問題があるかを知るためと割り切る使い方が良いでしょう。
1点あるとすれば、解答用紙が切り離せないので、解答を記入しづらいと思いました。
他の問題集やWebサイトなどを使い、受験まじかに使用するというのが良いかもしれません。
ITパスポート試験ドットコムとの協力
せっかく「ITパスポート試験ドットコム」の協力と書いてあるのに、本書との連動はありません。
本書と連動しているのは「KADOKAWA資格の合格チャンネル」ですね。。
“協力"とはどんなことなのか?、そしてどの部分が”協力”なのか、を明示することは大切です。
ちなみにこんな感じの協力とかかな。
・ITパスポート試験ドットコムでサイト利用者の誤答率が高い問題を例題に出す
※ ITパスポート試験ドットコムとは、「ITパスポート」の試験の概要からから過去問を解説まで行うポータルサイトです。
まとめ
以下は「この1冊で合格 丸山紀代のITパスポートテキスト&問題集」のまとめです。
総合評価 | 2.7 | 本書は、ページ構成や学習する順番などこれまでの参考書とは違う野心的な参考書だといえます。その上で熟成度はこれからという感じが否めませんでした。 ITパスポート相当の知識を持つ人、ある程度学習している人には相当刺さる内容となっています。ただどこから学ぶかの説明がないなど初学者には相当厳しく、人を選ぶ参考書になっています。 |
読みやすさ | 2.0 | 無駄のない説明なのだが、基本的に用語集に近い。 やはり初学者が付いていくのは難しい。 |
デザイン | 2.0 | 見開き1ページを学習の構成とする意欲的な構成ではあるが、説明し切らずに図解に表が掲載されている。 |
価格 | 2.5 | 一般的な価格帯ではあるが、少し高い |
役立ち度 | 4.0 | 読者層を選ぶので、ハマれば相当役に立つ。巻末の単語集でプラス1 |
ボリューム | 3.0 | 参考書のボリュームとしては、十分。ある程度絞り込んでいる、 問題はあるが、使いどころが難しいので、問題集の検討が必要。 |