[最新版]かんたん合格ITパスポート教科書 2021年版の感想・評価・レビュー

こんにちは、三島某「@mishima_books」です。
今回は「かんたん合格ITパスポート教科書」(以降、本書と記載)を読んでみました。
ITパスポートの概要や本サイトのレビュー方法について知りたい方は「ITパスポート レビューの考え方」を一読してください。
「かんたん合格ITパスポート教科書」はどんな本?

初学者向けのITパスポート参考書です。屈指の読みやすさ、学習しやすさを両立している参考書です。ただし掲載範囲を絞り込んでいるので、試験の経験者や既に学習を始めた方には、物足りないかもしれません。
総合評価:3.8

発行元 | インプレス株式会社 |
著者 | 坂下夕里&ラーニング編集部 |
初版発行 | 2020年12月11日 |
定価 | 1,408円(税込) |
ホームページ | インプレスブックス |
電子書籍版 | 有 |
その他 | PDF形式の電子書籍版が無料 |
こんな人におすすめ
- ITパスポートを取ろうとここ最近決心した。
- ITパスポートの勉強を始めたはいいが、どこから手をつければ。。
- IT業界の会社に面接を受ける予定があり、IT用語を知っておきたい。
こんな感じで使って欲しい
ITパスポートの資格の勉強を始めようと思う方
- 読みやすく、分かりやすいので挫折しにくい。
- 本文を読んで、お試しの問題を解く→ 問題集を解くという自然な流れで学習できる。
当たり前のような気がしますが、初心者にはこれが一番大事です。 - 問題集をダウンロードできるため、スマホで問題を解き、参考書で確認するという学習方法ができる。
IT業界入りたい、入りたての方
- 資格取得用の参考書ですが、IT業界で必要な専門用語を、広く浅く教えてくれます。
- 必要そうな部分に絞りましょう。8章までで十分かなと思います。
購入時のチェックポイント
- 付属のダウンロードコンテンツは、専用サイト(インプレスブック)の会員登録が必要です。
- 他の参考書に比べると情報量は少なめ、確実に合格したい場合は、本格的な参考書が必要です。
「かんたん合格 ITパスポート教科書 令和3年版」を詳しく紹介
本書の大きさや厚さ
本の大きさは参考書としては一般的です。A4ノートパソコンが入るかばんであれば大丈夫です。
ペットボトルと比較してみると高さはだいたい同じ。
ページ数は400以上と参考書としては普通程度、小さめのかばんには厳しいです。
無料でPDF版の電子書籍や問題集がダウンロードできます。通勤や通学ではスマホにダウンロードして眺めるのをお勧めします。
文字の大きさ、行間ともに読みやすく、圧迫感を感じません。挫折しないために大事なことです。
本書の構成
本書はITパスポートについての説明に始まり、章ごとに本文が続きます。
読者はITパスポートなんだからITっぽい勉強をするだろうとイメージしているはずです。
そしてそのイメージのままテクノロジー系の話題から切り込んでいます。学習に勢いをつける大事な工夫だと思います。
ITパスポートの問題は3つの分類(ストラテジー、マネージメント、テクノロジー)に分類されますが、本書では、テクノロジー系に大部分を割いています。
第1章 ハードウェア(テクノロジー)
「かんたん合格 ITパスポート教科書 令和3年度 目次」参考に整理
第2章 ソフトウェア(テクノロジー)
第3章 コンピュータで扱うデータ(テクノロジー)
第4章 データベース(テクノロジー)
第5章 ネットワーク(テクノロジー)
第6章 セキュリティ(テクノロジー)
第7章 システムの導入(3分類混在)
第8章 システム開発とプロジェクトマネージメント(マネージメント)
第9章 企業活動とITの活用(ストラテジー)
第10章 法務と財務(ストラテジー)
ITパスポートのテクノロジー系の課題にて最もとっつきにくい「ビットやバイト」の話を第3章の「コンピュータで扱うデータ」に持ってくる工夫がされています。

どうでしょうか。。何を言っているかわからないですよね。。
ある程度勉強した後なら受け入れられるかもしれませんが、最初からって厳しいですよね。
他参考書では、このような工夫はされていないことが多く、本書がITパスポートの初心者に寄り添っていると言えます。
ただテクノロジー系に偏っていることで、どうしてもマネージメントやストラテジー分野が少なくなってしまっています。そこはやはり不安な部分になってしまうと思います。
また1章あたりのボリュームにばらつきがあるので学習計画が立てづらくなってしまっています。
本文について
学習者に学習効率を上げる工夫、”ここが出る”
資格の参考書で大切なのは「何を記憶するか?」を読者に届けることかなと思います。
読者は、本書を使って3ステップで学習していきます。
- 説明文のハイライト,"これも知っとこ!"の読み込み
- “ここが出る"によるハイライトの再認識
- 節末の問題による記憶
読者は、2番目のステップである”ここが出る”を覚えると、自動的に節末の問題を答えることができるようになっています。
Step1. 本文で重要用語のハイライト

Step2. ここが出る!で読者の注意をひく

Step3. 過去問でチャレンジします。

また答えられなくても、1番目のハイライト部分をチラ見することで何を間違えたのかをすぐ確認することができます。
一連の流れは読者に軽快な学習リズムを提供します。そしてこのような仕組みを持つ参考書は多そうで少ないのではないかと思います。
ちなみに”これも知っとこ!”は、ITパスポート試験として必要な用語が説明されているので、本文と同様に読み飛ばしはお勧めしません。
ハイライトされた用語を意識したら、問題を解いていこう!
本書ではトピックの説明をしつつ、文中に覚えておくべき用語が現れます。そのためどのように覚えるかは読者に任せられます。
実は、どのように覚えるか、理解するかを考えるのが大切なのですが、一番面倒な部分になります。

ここでの例だと「データベース管理システム」が大切なのですが、暗記するための文面にはなっていません。
ハイライトされた用語が登場した場合には、可能であればどんな問題に出るか確認したいところです。
過去問題集などを活用していくと良いでしょう。
どんな本も巻末にINDEXが用意されていますので、どんな問題なのかを探すことができます。
問題について
資格の勉強ではとにかく問題を解く必要があります。さて本書の問題(設問)は大きく2種類に分かれています。
・本書内の各節の終わりにいくつかの問題を掲載
・専用サイトからダウンロードする問題集
問題のボリュームとしては、各節終わりに、3問か4問。問題集の方はテスト1回分である100問ほどです。
参考書としては標準的なものですが、回答の解説が正解のものを中心にしているのが少し不親切かなというくらいです。

やはり本書の構成上テクノロジー系の問題が多くなるので、ネットを使うなどして過去問の用意が必要です。
まとめ
「かんたん合格ITパスポート教科書」についてのまとめです。
総合評価 | 3.8 | とても読みやすいのと初めて学習する方に寄り添った親切設計はさすが。電子書籍版/問題集がダウンロードできるので、小さめのバックの場合も通勤/通学時も安心。ストラテジ/マネージメント系の厚めの参考書が必要な分のマイナスが残念。 |
読みやすさ | 5 | シンプルな表現でしっかり説明。イメージとのバランスも秀逸。 |
デザイン | 4 | 適度な行間と空白を使って、読者に圧迫感を与えない。 |
価格 | 3 | 同じレベル帯の参考書としては少しお得だが、追加購入がいるのでは |
役立ち度 | 4 | 初めてITパスポートを勉強する場合には、力強い味方に。 |
ボリューム | 3 | 網羅性としてはやや狭め、ただターゲット読者層にはおそらく十分。 |