[最新版]キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 2021年版の感想・評価・レビュー

こんにちは、三島某「@mishima_books」です。
今回は「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート」(以降、本書と記載)を読んでみました。
ITパスポートの概要や本サイトのレビュー方法について知りたい方は「ITパスポート レビューの考え方」を一読してください。
「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート」はどんな本?

ITパスポートの参考書の枠を超えた、IT初心者向け図鑑ともいうべき本です。ITパスポートの試験の合格後を見据えた場合に副読本としてはどうでしょうか。
評価:評価不能

発行元 | 株式会社技術評論社 |
著者 | きたみりゅうじ |
本版発行 | 2020年12月25日 |
定価 | 2,068円 |
ホームページ | 技術評論社公式サイト |
電子書籍版 | 有 |
その他 | – |
こんな人におすすめ
- IT業界/IT関連の部署への参加が決まっている。
- すでに他参考書を持っているが、テクノロジー関連が苦手で集中的に強化したい。
こんな感じで使って欲しい
IT業界入りたい、入りたての方
- 資格取得用の参考書ですが、IT業界で必要な専門用語をイメージつきでしっかり教えてくれます。
- 必要そうな部分に絞りましょう。13章までを繰り返し読むことを推奨します。
ITパスポートのでテクノロジーが苦手な方
- 問題集を解いて、わからない部分やイメージわからない部分については本書を使うと良いでしょう。
- 最新の技術については、別な参考書やWebサイトを当たりましょう
購入時のチェックポイント
- ストラテジ/マネージメント系の量が少ない、新しい出題範囲への言及がありません。
- 問題は他の参考書と比較しても少ないので、問題集が必要となります。
- 基本的にはイメージで語られています。やっぱり説明が欲しいという方は、他参考書も一考を。
「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート」を詳しく紹介
本書の大きさや厚さ
本の大きさはA4ノートパソコンが入るかばんであれば大丈夫です。
参考書としては標準的な大きさです。厚さがそこそこあるので、小さめのかばんでは無理だと思います。
ページ数は400ページ後半(477P)はありますので、内容は十分すぎると思います。

文字の大きさは、小さめですが本書はイメージで語られていますので、あまり気にしなくて大丈夫です。
本書の構成
本書は、ITパスポートについての説明に始まり、章ごとに本文が続きます。
以下の通り、Chapter13までつまり409/477の大部分をIT業界で知っておくべきテクノロジー/マネージメント系が締めています。
Chapter 0 ITってなんだ?
「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和3年度 目次」参考に整理
Chapter 1 コンピュータこと始め
Chapter 2 デジタルデータの表し方
Chapter 3 ファイルとディレクトリ
Chapter 4 ハードディスク
Chapter 5 OSとアプリケーション
Chapter 6 表計算ソフト
Chapter 7 データベース
Chapter 8 ネットワーク
Chapter 9 セキュリティ
Chapter 10 システム開発
Chapter 11 システム周りの各種マネジメント
Chapter 12 プログラムの作り方
Chapter 13 システム構成と故障対策
Chapter 14 企業活動と関連法規
Chapter 15 経営戦略のための業務改善と分析手法
Chapter 16 財務会計は忘れちゃいけないお金の話
章ごとのバラツキは多く、節ごとに学習していく方が良いかと思います。
ITパスポートではストラテジー系が100問中35問出題されます。もう少しページを割いても良いかなと思います。
本文について
参考書とイメージ
本書のイメージの分量ですが、過去問の記載箇所を除けば2つから3つが掲載されています。
他参考書と比較しても最低3倍以上はあるだろうと思いますので、参考書兼図鑑に近いといえます。
以下は不正アクセスの手法についてのイメージです。
シンプルですが、文字で記載されているよりも、一目でどんなものかわかります。

このように他参考書では、文章で説明されるものが視覚的に説明されます。
ITパスポートではとにかく広範囲にわたる用語に触れなければならず、初学者は文字を追ってしまいがち。
特にテクノロジ系は触れたことがない人に大量の専門用語は辛いはず。
そのとき本書のイメージで説明する手法は心強い味方になると思います。

ただイメージは個人の好みによるところがあるので、購入する前にしっかり確認することをお勧めします。
また試験は文章で出題されますので、文章表現になれることが大切だと思うので、本書だけで受験する場合は、問題をいかにこなすかになるでしょう。
IT業界新人さんへの圧倒的手厚さ
本書では、上述した通りテクノロジ系を重点的に説明しています。
ITパスポートというよりは、「ITとは?」という部分にフォーカスが当たっているように思えます。
例えばインターネットのWebページを表示する仕組みについてのイメージです。

IT業界に入り、仕事をすることを目指すのであれば、上図の説明は役に立ちます。
ただし、問題を解くということに特化するというのであれば、説明しすぎなのかもしれません。

IT業界に入りたい、あるいはすでに入っているのであれば、本書の説明は実践的であり、合格後を見据えた学習が行えるでしょう。
惜しむらくは、URLの説明はHTTPSではなく、HTTPだったり、SSL/TLSの説明があれば良いかと。最新のテクノロジーに関する説明が欲しいなと思いました。
問題数のバラツキ
現在のITパスポートの問題のバランスは、分野ごとにバラツキがあります。
ストラテジ系(経営全般):35問程度
マネジメント系(IT管理):20問程度
テクノロジ系(IT技術):45問程度
本書ではストラテジー系への割合が少ないため、総じて過去問の掲載数が少なくなります。
そのため別途問題集の購入、もしくはWebサイトなどの活用が必要になると思います。
まとめ
以下は「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート」のまとめです。
総合評価 | 評価不能 | イラスト質と量は他参考書と比較しても、頭一つ抜けている一冊と言えます。それゆえに資格向けの参考書の枠を超えてしまっています。そのためITパスポートを勉強し始めたけど、テクノロジー系のイメージがどうしてもわかない方とかに絞られてしまうかもしれません。 同じITパスポートを勉強している方でもIT業界へ入りたい方や、IT業界へ入ったばかりの方が手に取るとすれば、間違いなくお勧めできます。辞書がわりにカバンの中に忍ばせておきましょう。 |
読みやすさ | 4 | イラストが大部分になるため、説明はシンプルです。絵を生かすための説明に割り切っています。 |
デザイン | 4 | イラストをふんだんに使ったコンセプトは独創的です。 |
価格 | 2 | 資格書としては、最も高額な部類になります。 |
役立ち度 | 2-5 | 学習者が、ITパスポートの合格だけを目的とした場合はオーバースペックな上に、物足りない。しかしIT業界の入ったばかりの方となると、評価は180度代わり、是非1冊と思います。 |
ボリューム | 2-4 | イラストの分量、情報量は非常に高いです。 |